2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

読了本ストッカー:あっさり風味の隆伝奇……『駆込寺蔭始末』

駆込寺蔭始末 (光文社時代小説文庫) 隆慶一郎 光文社文庫 2008/6/10読了。 隆慶一郎氏の連作短編集です。 < 縁切寺>として名高い松岡山東慶寺。江戸時代の女性たちのアジールとして隠然たる力をもつこの寺の住持、玉渕尼の用心棒、<麿>の活躍を描きます。 <…

読了本ストッカー:マジカルな暴君のマジカルな治世……『族長の秋』

族長の秋 (集英社文庫) ガブリエル・ガルシア=マルケス 集英社文庫 2008/6/9読了。 ずーっと昔に買って積んだままの『百年の孤独』も読まないといけないのですが・・・先にこっち。『族長の秋 他6篇』ではなくて文庫版です。 解説によるとJ・モルマル『アマ…

読了本ストッカー:電車内読者は厳禁!……『ワセダ三畳青春記』

ワセダ三畳青春記 (集英社文庫) 高野秀行 集英社文庫 2008/5/28読了。 『ミャンマーの柳生一族』が面白かったので、またまた『族長の秋』はほっぽいといて、続けて高野秀行氏作品。こんなにハマったのも久々だなぁ。 高野氏が棲んでいた(まさに<棲>という字…

読了本ストッカー:「柳生、仕事すべし!」……『ミャンマーの柳生一族』

ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫) 高野秀行 集英社文庫 2008/5/26読了。 営業中にチラッと見た古本屋で発見。200円で入手しました。本当はガルシア=マルケスの『族長の秋』を読んでいたんですが、ちょっと触りを読んだら・・・ヤバい!面白い!止められな…

読了本ストッカー:ホラーとは何か?……『ホラーを書く!』

ホラーを書く! (小学館文庫) インタビュー/東雅夫 小学館文庫 2008/5/21読了。 ホラー評論家として活躍する東雅夫氏による、ホラー小説作家インタビュー集です。その人選の法則は「ホラー作家と呼ばれることを嫌がる連中にはインタビューしてやんない!」と…

読了本ストッカー:それいけ早稲田探検隊!……『幻獣ムベンベを追え!』

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫) 高野秀行 集英社文庫 2008/5/20読了。 エンタメノンフのさきがけ(?)。高野氏の作品は初挑戦。 ムムム・・・これ、なんで今まで読まなかったんだろうなぁ・・・おもろい。 高野氏率いる早稲田大学探検部は、コンゴの奥地…

読了本ストッカー:グルメ版マクロス(嘘)……『妖神グルメ』

妖神グルメ (ソノラマ文庫 (278)) 菊地秀行 ソノラマ文庫 2008/5/19読了。 菊地秀行氏によるクトゥルー神話大系異色作。クトゥルーの胃袋を満足させるために選ばれた、天才イカモノ料理家を巡るストーリーです。 これでもかこれでもかと、邪神を満足されるた…

待ってました!文庫化メモ。

ダ・ヴィンチ 2008年 07月号 [雑誌] 『死相学探偵①十三の呪』 三田信三 角川ホラー文庫 『処刑御使』 荒山徹 幻冬舎文庫 『クビシメロマンチスト<人間失格・零崎人識>』 西尾維新 講談社文庫 『好き好き大好き超愛してる』 舞城王太郎 講談社文庫 『対話篇』…

読了本ストッカー:死に場所を探す男たち……『山田風太郎傑作大全#07叛旗兵』

叛旗兵―山田風太郎傑作大全〈7〉 (広済堂文庫)山田風太郎廣済堂文庫2008/5/14読了。<山田風太郎傑作大全>の7巻目は『叛旗兵』。上杉家の宿将、直江山城守が米沢に隠棲して十余年。その娘、伽羅に仇敵本田正信の息子との縁談が持ち上がります。あて馬として選…

読了本ストッカー:「耳をすまして」とティモシーはいった……『塵よりよみがえり』

塵よりよみがえり (河出文庫) レイ・ブラッドベリ 河出文庫 2008/5/9読了。 考えろ。望め。望みをかなえる力があれば―そうなるんだ! 〈ひいが千回つくおばあちゃん〉が言います。 「一族なんだよ、みんな風変わりですばらしいんだ。夜に歩き、風に乗って空…

読了本ストッカー:トヨザキ社長再び!……『どれだけ読めば、気がすむの?』

どれだけ読めば、気がすむの? 豊崎由美 アスペクト 2008/5/4読了。 前著『そんなに読んで、どうするの?』は、基本的に1冊の本について、丁寧に解説したものでしたが、本書は約3冊ずつの書評が中心。本当に短い文章の中で読みたい気にさせます。上手だよなぁ…

読了本ストッカー:作家たちの声を聴く……『One author,One book.』

One author, One book ― 同時代文学の語り部たち 新元良一 本の雑誌社 2008/4/30読了。 新元氏の『翻訳文学ブックカフェ2』で知った本書。27人の作家へのインタビュー集です。本来はもちろん、作品単体で評価すべきですが、作家自身の記述で読みたくなるもの…

読了本ストッカー:まずは自分たちの足元から見直し。……『出版クラッシュ!?』

出版クラッシュ!?―書店・出版社・取次 崩壊か再生か 超激震鼎談・出版に未来はあるか?〈2〉 安藤哲也/小田光雄/永江朗 編書房 2008/4/27読了。 『石塚さん、書店営業にきました。』に続いて出版業界本を読了。 2000年発行の本書ですが、もちろん今でも使え…

読了本ストッカー:版元営業必読書。……『石塚さん、書店営業にきました。』

石塚さん、書店営業にきました。 石塚昭生 ポット出版 2008/4/25読了。 いろいろなところで多く採り上げられている本書。わたしのようなものが紹介するまでもありませんが・・・なにはともあれ、本書が版元営業の必読書であることは間違いありません。 私も…

読了本ストッカー:「努力し、探索し、発見し、しかして屈するところなく」……『世界最悪の旅』

世界最悪の旅―スコット南極探検隊 (中公文庫BIBLIO) チェリー・ガラード 中公文庫BIBLIO 2008/4/23読了。 本書を知ったのは『200X年文学の旅』で。T・R・ピアソンの未邦訳作品『極地』の紹介文章でした。その後大阪への出張中に、ホテルへの帰り道にあった、…

読了本ストッカー:戦国版『日の名残り』……『本覚坊遺文』

本覚坊遺文 (講談社文庫) 井上靖 講談社文庫 2008/4/16読了。 いつも拝見しているブログ「日曜の黄昏は夢を紙くずに変えてゆく」のさっとさんのエントリで知った本書。早速入手し、読了しました。 茶人千利休の死後、隠遁生活を送る弟子の本覚坊。とはいえ、…