2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

読了本ストッカー:森博嗣どこへいく?・・・のシリーズ4作目(完結編)……『四季#冬』

四季 冬 2007/1/16読了。 やっぱり・・・。森博嗣怖い。前3作と比べるとはるかに読みにくい本書。犀川助教授と萌絵の関係にヤキモキしていたファンは、前作『秋』で満腹だし・・・。ですが「天才」についてこんなに突っ込んで書いた作品はなかったのでは? …

読了本ストッカー:今まで読んできて良かった・・・ファン感涙のシリーズ3作目……『四季#秋』

四季 秋 2007/1/15読了。 「そういう心配そうな顔をして、隠れて弟の訓練を見守っているお姉さんがいたね」「え?何のお話ですか?」「巨人の星だよ。星飛雄馬」「ホシヒューマン?何人ですか?」 ・・・と、相変わらずかみ合わない会話が最高の、犀川創平&…

読了本ストッカー:そ、そうだったんか!?・・・のシリーズ2作目……『四季#夏』

四季 夏 2007/1/14読了。 すっかり忘れていましたが、佐織宗尊って『赤緑黒白』に出てきてたんですね(読み返して気がついた)。『赤緑黒白』で判明した事柄が、いよいよ文章として書かれていてちょっと感動(笑)。また、瀬在丸紅子と自分の関連について四…

読了本ストッカー:これ、いつから考えてたんでしょう?……『四季#春』

四季 春 2007/1/12読了。 待望の文庫化でした。4冊全て定価で買って(笑)年末年始で読もうとしていたのですが読めず。 S&MシリーズとVシリーズの橋渡し的シリーズなので、途中で『すべてがFになる』と『有限と微小のパン』、『赤緑黒白』をパラパラ読み返し…

読了本ストッカー:われらも死に狂いの戦さつかまつるでございましょう……『天と地と㊦』

天と地と 中 天と地と 下2007/1/11読了。 川中島の戦いにおける「啄木鳥の戦法」も、山本勘助ではなく信玄自身が編み出したという説に基づいているため、山本勘助は出てきません。角川映画『天と地と 黎明編』が渡辺謙の急性白血病の発症によって未完になり…

読了本ストッカー:死ねや、者共!……『天と地と㊤』

天と地と 上 2006/12/25読了。 来年の大河ドラマは「風林火山」ということで、既にフェア展開している書店さんも多く見かけますが、こちらは上杉謙信を主人公とする大巨編です。記述師が読んだのは上下巻の角川文庫版。現在は文春文庫で3分冊になってるよう…

読了本ストッカー:リンカーンとアメリアの関係も気になる・・・。『コフィン・ダンサー㊦』

コフィン・ダンサー〈下〉 2006/12/20読了。 暗殺のターゲットであるパーシーのことを自分勝手で嫌な女だと思っていましたが、ライム(の癇癪)と対等に渡り合える人生観の持ち主でした。それにしても、ディーヴァー作品を読むときは、騙されまいと思って目…

読了本ストッカー:ディーヴァー版『ジャッカルの日』……『コフィン・ダンサー㊤』

コフィン・ダンサー〈上〉 2006/12/19読了。 「リンカーン・ライム」シリーズ2作目です。ディーヴァー版『ジャッカルの日』とでもいうべき作品。「コフィン・ダンサー」と呼ばれる殺し屋から、ターゲットを守る物語です。髪の毛一本どころか、まさにチリひと…

読了本ストッカー:一気読みっ!……『ボーン・コレクター㊦』

ボーン・コレクター〈下〉 2006/12/15読了。 欲をいえば、巻頭のマンハッタンの地図を、もっと詳しくしてほしかった・・・。アメリカに不案内な人間としては、誰がどこに行ったのか、どのへんにいるのか、よくわかりません(汗)。それにしてもすごいジェッ…

読了本ストッカー:鑑識ってすごい!……『ボーン・コレクター㊤』

ボーン・コレクター〈上〉 2006/12/11読了。 2005年はジェフリー・ディーヴァーの『悪魔の涙』を一年の最後に読んだことを思い出します。本書は「リンカーン・ライム」シリーズ第1作目です。捜査中の事故により四肢麻痺となった、元ニューヨーク市警中央科学…

読了本ストッカー:緻密な論理ミステリ……『夏の夜会』

夏の夜会 2006/12/8読了。 30年ぶりに友達の結婚式で再会した小学校同級生の5人の男女。小学生時代に起こった事故(事件?)について話していると、色々と新事実が・・・。まさに二転三転!「恣意的な記憶」によって記憶が根こそぎひっくり返るんだから最強…

読了本ストッカー:引きこもり小説のバイフル?……『NHKへようこそ』

NHKにようこそ! 2006/12/7読了。 は~、主人公のダメダメぶりにすごい凹む・・・。滝本竜彦・・・最近見ない(ですよね?)けど、なにしてるんだろ(汗)

読了本ストッカー:魔の書『N.P』の謎とは?……『N.P』

N・P2006/12/6読了。 以前に読んだのですが、引っ越しのとき見あたらなかったので買い直しました。記述師の好きな「魔の書」タイプの作品。高瀬皿男という男が残したカルト作『N・P』。それは日本語に訳されることによって「黒い息吹が立ちのぼってくる」魔…

読了本ストッカー:柳生は超ワルモノ……『柳生刺客状』

柳生刺客状 2006/12/5読了。 『吉原御免状』の隆慶一郎氏の短編集です。伝奇趣味的作品の多い(?)隆氏ですが、本書は通常の時代小説もあります。 「柳生刺客状」・・・表題作。『影武者徳川家康』『吉原御免状』にも語られた家康影武者説を念頭に置いた中…

読了本ストッカー:三國氏に幸あらんことを!……『蓮丈那智フィールドファイルシリーズ#02触身仏』

触身仏―蓮丈那智フィールドファイル〈2〉 12/5読了。 「秘供養」・・・山人による人さらい伝説の残る山村に存在する、“供養の五百羅漢”と呼ばれる石仏群を調査に出かけた那智と三國。“五百羅漢”に関する卓越したレポートを提出した女子学生が殺されたことで…

読了本ストッカー:新しい世界へ!……『すばらしい新世界』

すばらしい新世界 2006/11/28読了。 池澤夏樹氏の著作は、『夏の朝の成層圏』『バビロンに行きて歌え』『スティルライフ』『真昼のプリニウス』『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』の順番に読んできて本書で7作目です。『夏の朝の成層圏』を読んだ時には…

読了本ストッカー:奇妙な短編満載です……『実験小説ぬ』

実験小説 ぬ 2006/11/20読了。 『ダブ(エ)ストン街道』が面白かった浅暮三文作品です。 第一章 実験小説集「帽子の男」・・・ご存知交通標識の帽子男(仮名)の人生を追う短編。オチもなかなかです。「喇叭」・・・ある日加藤静夫のもとにクイズが送られて…

読了本ストッカー:逃亡しまくり、亜愛一郎!……『亜愛一郎の逃亡』

亜愛一郎の逃亡 2006/11/16読了。 シリーズ3作目にして最終巻です。 「赤島砂上」・・・ヌ、ヌーディストビーチ…。ほんとにいろんな設定を考えますねぇ。木を隠すなら森に、といったところでしょうか。「球形の楽園」・・・文字通り球形の核シェルターを作っ…

読了本ストッカー:転倒しまくり、亜愛一郎!……『亜愛一郎の転倒』

亜愛一郎の転倒 2006/11/15読了。 シリーズ2作目です。 「藁の猫」・・・偏執的な写実性を重んじた画家・粥谷東巨の回顧展で見つかった“指が六本ある少女”“針の間違っている時計”“重力を無視している水差しの水”“あべこべの鋏”“開くことが出来ないドア”“春に…

読了本ストッカー:狼狽しまくり、亜愛一郎!……『亜愛一郎の狼狽』

亜愛一郎の狼狽 2006/11/13読了。 実は以前に一度読んだのですが、これは3作連続で読んだ方がいいらしいと聞いて、2作目以降はストップしてました。最近ようやく3作目の『亜愛一郎の逃亡』を手に入れたため読書再開。むう、全然覚えていない…(汗)。 「DL2…

読了本ストッカー:ストーカーホラー!……『ノンセクシュアル』

ノンセクシュアル 2006/11/9読了。 「性をテーマに」と必ず枕詞につく作家・森奈津子氏の作品。一応ホラーに分類しました(ハルキ・ホラー文庫だし)が、ミステリと言えなくも、ないです。どんなに追い込まれてもついつい茶化してしまう 「あなたの言葉を信…

読了本ストッカー:誰が誰を殺そうとしているのか?ドンデン返し連発のジェットコースターミステリ……『つなわたり』

つなわたり2006/11/8読了。 不幸な結婚生活を送る二人の女性。片方の女性が相手の夫の殺人を持ちかける。こう書くとよくある交換殺人テーマミステリかと思いますが、そこはラヴゼイ・・・いやいや、これ以上は言いますまい(ラヴゼイを読むとなぜか時代調の…

読了本ストッカー:ちょっと小ぶりな『六色金神殺人事件』……『蜃気楼・13の殺人』

蜃気楼・13の殺人 2006/11/6読了。 村興しのイベント最中の殺人に、古文書どおりの殺人といえば藤岡真の伝奇ミステリ『六色金神殺人事件』を思い出します(なんと絶版?)。本書は、著者の山田正紀氏が文庫化を拒み続けていた作品だったようです。新保博久氏…

読了本ストッカー:「芸術とは隠蔽すること・・・」……『フリッカー、あるいは映画の魔㊦』

フリッカー、あるいは映画の魔〈下〉 2006/11/2読了。 海外伝奇ミステリの傑作もいよいよ下巻です。前半でアングラ映画についてジョニーが考察するところは大変興味深く読みました。映画論としてもとても秀逸。また中盤で、ジョニーがカタリ派の宗旨のひとつ…

読了本ストッカー:映画版『薔薇の名前』?……『フリッカー、あるいは映画の魔㊤』

フリッカー、あるいは映画の魔〈上〉 2006/10/27読了。 映画+ノワール+ミステリ+伝奇…何でもありのボーダレス小説の傑作です。 UCLA映画学科の学生・ジョニー・ゲイツは、リバイバル上映で細々と食いつなぐ“クラシック座”でアルバイト(無料奉仕?)をし…

読了本ストッカー:魔術師連城の筆さばきを見よ!……『恋文』

恋文 2006/10/22読了。 『変調二人羽織』の解説に「連城氏の集大成的作品」と紹介されていたので、買ってみました。 「恋文」・・・表題作。ある日突然夫が死に瀕した昔の恋人に尽くすために出ていった。2時間ドラマにでもなりそうな設定ですが、さすが連城…

読了本ストッカー:あの連城三紀彦氏の傑作本格ミステリー短編集!……『変調二人羽織』

変調二人羽織―連城三紀彦傑作推理コレクション 2006/10/19読了。 探し続けていてようやく見つけた本書。連城三紀彦氏の傑作本格ミステリということで期待大で読み始めました。 「変調二人羽織」・・・表題作。トリッキーな本格ミステリです。“探偵小説的”な…

待ってました!文庫化メモ。

『ダ・ヴィンチ 2007.2月号』より 『第三版 クトゥルー神話事典』東雅夫 学研M文庫 『赤江瀑短編傑作選〈幻想編〉花夜叉殺し』赤江瀑 光文社文庫 『美しい魂』島田雅彦 新潮文庫 『笑う怪獣 ミステリー劇場』西澤保彦 新潮文庫 『書店風雲録』田口久美子 ち…

読了本ストッカー:理系SFの極北、ここに登場!……『しあわせの理由』

しあわせの理由 2006/10/18読了。 「理系SFの極北」とも言われるイーガンですが、多分に文学的要素を感じる作品集です。 「適切な愛」・・・事故で植物状態になった夫の脳を、金銭的な理由から(!)ある格安の方法で保存しなければならなくなった女性の、意…

読了本ストッカー:時代小説&伝奇小説の見事な融合……『かくれさと苦界行』

かくれさと苦界行2006/10/5読了。 『吉原御免状』の続編となります。宮本武蔵の弟子にして、吉原惣名主・西田屋三代目庄司又左衛門となった松永誠一郎。その正体(?)は後水尾院の御子・・・典型的な貴種離流譚ですね。しょっぱなから詳しい説明もなく物語…