読了本ストッカー:死に場所を探す男たち……『山田風太郎傑作大全#07叛旗兵』

叛旗兵―山田風太郎傑作大全〈7〉 (広済堂文庫)

山田風太郎

廣済堂文庫

2008/5/14読了。

<山田風太郎傑作大全>の7巻目は『叛旗兵』。

上杉家の宿将、直江山城守が米沢に隠棲して十余年。その娘、伽羅に仇敵本田正信の息子との縁談が持ち上がります。あて馬として選ばれたのが、八丈島に宇喜田秀家とともに配流され、この度赦免となった正木左兵衛。関ヶ原で討ち死にした大谷刑部の遺児と言われています。

しかしこの御仁、長い遠島生活でふぬけになってしまわれた(口調が変になってきた)。伽羅から左兵衛の根性を叩き直すように、ついでに(?)太閤忘恩の諸大名たちに一泡吹かせることを懇願されたは、かの名高き(?)<直江四天王> 、前田慶次郎利太、岡野左内宗政、車丹波猛虎、上泉主水泰綱の四名。しかも条件は「主家上杉や父直江山城に迷惑がかからないようにすること」。四名は知力の限りをつくしてその難題に挑む!

・・・ですがそこは山風。随所に張られた伏線や小ネタが面白いっす。庄司甚内などの聞いた名前とか。
それにしても・・・麻雀にハマる武蔵と小次郎の姿が見られるとは!

「知力の限りをつくして」と書きましたが、完全に行き当たりばったり(笑)。<直江四天王>は、ご存知<花の慶次>前田慶次郎しか知らなんだのう・・・。『花の慶次』では直江山城守と慶次は刎頸の友という設定でしたが、本書ではあくまでも部下。

山風伝奇では珍しく、驚いたことにあまり人が死なない(笑)。途中まではね。