読了本ストッカー:まずは自分たちの足元から見直し。……『出版クラッシュ!?』

出版クラッシュ!?―書店・出版社・取次 崩壊か再生か 超激震鼎談・出版に未来はあるか?〈2〉


安藤哲也/小田光雄永江朗


編書房


2008/4/27読了。


『石塚さん、書店営業にきました。』に続いて出版業界本を読了。


2000年発行の本書ですが、もちろん今でも使えます。それが問題とも言えるけれど、業界の。


流通に関してはとても勉強になります。特に新規出店のカラクリについては・・・すごいなあ、桁が違うなあ。


再販制度と委託制度についても。再販&委託撤廃論者の小田氏と、時限制再販論者の安藤氏、再販&委託制には疑問を持つが<良書>が出なくなってしまうことを危惧し、再販を残しつつ委託を無くす道を考える永江氏、と乱暴に無理やり分ければこんな感じでしょうか。しかし<良書>幻想が見え隠れする気がします。<読者>と<消費者>と分けたり、<近代読者>というワードを使うところとか。


学参の場合、再販制はともかく委託はなくても・・・なんとかなるかな?。結局専門書とならないと生き残れない気がします。
新刊委託をすると、取次の配本パターンにしたがって配本されるわけですが、次月にはかなりの返品があります(既に)。うちなんかは前にも書いたようにほぼ満数で出しているので、減数を見込んで多めに入れなくてもいいにも関わらず、です。パターン配本がパターン配本として機能していないのか・・・まぁそれだけではないし、取次を悪玉にしたてても仕方ないんですが。
しかしどちらにしろ、取次の配本に頼らないか、配本パターンを積極的に見直すか、どちらかをしなければ。<読者>と大上段に構えるのではなく、自分のところの本の<消費者>を見極め、そこに届ける努力をしなければなりません。一応さまざまな取り組みはしているつもりですが。


しかし今、「再販制?なくてもいいよ」と言える版元がどれほどあるのか。