読了本:現代小説

読了本ストッカー:相変わらず素晴らしい文章です……『タマや』

タマや (河出文庫)著者:金井 美恵子販売元:河出書房新社発売日:1999-06 2009/3/12読了。 久しぶりの金井美恵子作品。いわゆる<目白四部作>は、『小春日和』『文章教室』を読んでから中断していました。というか見つからなかっただけなんですけど。 本書の…

読了本ストッカー:きゃー!恥ずかしい!……『吉野北高校図書委員会』

吉野北高校図書委員会 (MF文庫ダ・ヴィンチ)著者:山本 渚販売元:メディアファクトリー発売日:2008-08-21 2009/3/3読了。 数時間で読めました……。主人公のひたむきさがまぶしすぎる……汚れちまったぜ。

読了本ストッカー:鏡で自分の姿を見るように……『アメリカの夜』

アメリカの夜 (講談社文庫)著者:阿部 和重販売元:講談社発売日:2001-01 2009/2/24読了。 『ABC戦争』で挫折したようなしなかったような……なんだか。<ザ・現代文学>という感じで苦手なんですが、『シンセミア』を読む前に、と思いまして。しかし、とかそう…

読了本ストッカー:なにもない、ことの異常……『秘事・半所有者』

幼児狩り (1978年)クチコミを見る秘事・半所有者 (新潮文庫)著者:河野 多恵子販売元:新潮社発売日:2003-02 2009/2/8読了。 なんで読もうと思ったのか、忘れてしまいました。調べてみると、『ダ・ヴィンチ2008年5月号』で、川上弘美氏が次のように書いてい…

読了本ストッカー:青春じゃのう……『ぼくは悪党になりたい』

ぼくは悪党になりたい (角川文庫)著者:笹生 陽子販売元:角川書店発売日:2007-06 2009/1/8読了。 主人公の兎丸エイジは、シングルマザーの母親と小学生の弟と暮らす高校2年生。複雑な家庭環境だけど、明るく生きるちょっとクールな少年、という良くある設…

読了本ストッカー:ミステリか?世界文学か?……『予告された殺人の記録』

予告された殺人の記録 (新潮文庫)著者:G. ガルシア=マルケス販売元:新潮社発売日:1997-11 2008/12/22読了。 ガルシア=マルケス作品は、『族長の秋』に次いで2冊目。改行もなく、かぎかっこもなかった『族長の秋』に比べればむちゃくちゃ読みやすいです。 …

読了本ストッカー:傑作恋愛小説……『ツ、イ、ラ、ク』

ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)著者:姫野 カオルコ販売元:角川書店発売日:2007-02おすすめ度:クチコミを見る2008/11/14読了。 こ、これはすごい……絶句の恋愛小説です! 記述師の姫野作品履歴は『変奏曲 (角川文庫)』くらいで止まっていまして、最近は若干エ…

読了本ストッカー:直球青春巨篇……『黄色い目の魚』

黄色い目の魚 (新潮文庫) 佐藤多佳子新潮文庫2008/10/8読了。 佐藤多佳子氏作品は初めてです。<ダ・ヴィンチ>なんかでよく見かけていたので、読んでみました。 村田みのりはイラストレーターの叔父を持つ高校生。木島はサッカー部に所属する高校生。木島は、…

読了本ストッカー:『蟹工船』よりこっちを読んで楽しくなろう!……『ボートの三人男』

ボートの三人男 (中公文庫) ジェローム・K・ジェローム 中公文庫 2008/8/21読了。 『犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』とか、ラヴゼイの『絞首台までご一緒に (ハヤカワ・ミステリ文庫)』とか、本書を本ネタにした作品が多数あ…

読了本ストッカー:自分の中の<こども>と、そして現実のこどもと向きあう本……『氷の海のガレオン/オルタ』

氷の海のガレオン/オルタ (ピュアフル文庫) 木地雅映子 ピュアフル文庫 2008/7/1読了。 新刊『悦楽の園』の出版時、<ダ・ヴィンチ>で紹介されていて、知りました。なんだか面白そうだったため購入。 表題作「氷の海のガレオン」の主人公は、<自分を天才だと…

読了本ストッカー:アメリカの舞城王太郎、コラゲッサン・ボイル。……『ケロッグ博士』

ケロッグ博士 T・コラゲッサン・ボイル 新潮文庫 2007/12/21読了。 『翻訳文学ブックカフェ』で知ったT・コラゲッサン・ボイル。この時ボイルについて語っていたのは青山南氏だったのですが、本書の訳者は柳瀬尚紀氏。唯一の文庫作品『ケロッグ博士』を買っ…

読了本ストッカー:ド真ん中青春小説!(久しぶり)……『楽園のつくりかた』

楽園のつくりかた (角川文庫) 笹生陽子 角川文庫 2007/11/22 読了。 ややこしいのばかり(?)読んでいたのでこの辺でヤングアダルトを。帰りの電車と家とでさっと読み終わりました。これ、なんで読もうと思っていたのか・・・まったく覚えがないのですが。 …

読了本ストッカー:これが<信用できない語り手>か!……『日の名残り』

日の名残り カズオ・イシグロ ハヤカワepi文庫 2007/10/2読了。 というわけで、偶然ですが『翻訳文学ブックカフェ』に登場した土屋政雄氏の訳した『日の名残り』です。 ダーリントン・ホールの執事として、戦前からダーリントン卿に仕えてきたスティーブンス…

読了本ストッカー:ジャケ買いはするもんじゃない。……『二十一の短編』

二十一の短編 ハヤカワepi文庫 グレアム・グリーン ハヤカワepi文庫 2007/4/2読了。 初の〈グレアム・グリーン・セレクション〉です。『第三の男』を探していたのですが、本書を見つけちょっと買ってみました。こういう色使いの表紙、好きなんです。 グレア…

読了本ストッカー:大人に読ませとくのはもったいない、本。……『月の砂漠をさばさばと』

月の砂漠をさばさばと 北村薫/著 おーなり由子/絵 新潮文庫 2007/3/25読了。 記述師の自宅では、本棚のある4畳半は本棚に入りきらない文庫本が積んでありまして、そこは娘の獣道(笑)となっております。その山の中から娘が散歩がてら(?)拾ってきたのが本…

読了本ストッカー:現代版『ニューロマンサー』…… 『The S.O.U.P.』

The S.O.U.P. 川端裕人 角川文庫 2007/3/9読了。 川端氏の作品は『夏のロケット』に続いて2冊目。プログラマの周防巧は引きこもり気味のリアルハッカー。経済産業省商務情報政策局の小杉礼子からの依頼により「ネットの秩序は、ネットより生まれる。あらゆる…

読了本ストッカー:引きこもり小説のバイフル?……『NHKへようこそ』

NHKにようこそ! 2006/12/7読了。 は~、主人公のダメダメぶりにすごい凹む・・・。滝本竜彦・・・最近見ない(ですよね?)けど、なにしてるんだろ(汗)

読了本ストッカー:愛について考える一冊。……『かっこ悪くていいじゃない』

かっこ悪くていいじゃない2006/9/7読了。 「人は時として自分の性的魅力には目をつぶって“愛”を振りかざしておのれをアピールしようとする。自分の魅力に自信がない者に限って、そのような傾向がある。ストーカーなんて、まさにその代表だ。(中略)こんなに…

読了本ストッカー:加藤文太郎、山に生きる。……『孤高の人㊦』

孤高の人 (下巻) 2006/9/7読了。 相変わらず「山」と「社会」との間で抗う文太郎。才能に溺れる人間ではなく、非常に合理主義者。立ったまま食べられるように携帯食を自分で改良したり、他人のラッセル跡も利用するし、山小屋も利用します。山小屋を使うのな…

読了本ストッカー:加藤文太郎、山に登る。……『孤高の人㊤』

孤高の人 (上巻)2006/9/6読了。 不世出の登山家・加藤文太郎の人生を描く山岳小説。加藤は神港造船所の技術研修生として働きながら、教官の外山三郎に誘われて山歩きを始めます。全てを山にかけるその姿勢は、きちんと仕事をして誰にも迷惑がかからないよう…

読了本ストッカー:高学歴ニートVS芸術家ニート!……『私小説 from left to right 』

私小説 from left to right 2006/8/23読了。 『本格小説』がとても面白いと聞いて、その前段階として購入しました。手に入れてみると、ブックオフでちょくちょく見かけていた本でした。 横書き・英文混じりの文章というイメージから、バイリンガル自慢の若者…

読了本ストッカー:舞城万歳!(豊崎由美氏とともに)……『阿修羅ガール』

阿修羅ガール 2006/8/2読了。 デビュー作『煙か土か食い物』でガツンとやられた舞城王太郎の文庫読了2作目です。全然作品が文庫化されないので、待ってました~って感じ。ストーリーはなんとも説明できない感じですが(汗)、女子高生アイコの愛と恋と青春の…

読了本ストッカー:速記者・・・マニアックだ・・・『余白の愛』

余白の愛 2006/6/5読了。 本の雑誌社の『文庫王国2004年版』の小川洋子特集で次のように紹介されていたので興味を持って買ってみました(福武書店版ですけど)。 印象的なのは、突発性難聴に侵された主人公の元にスケッチブックを用意した夫が訪れる場面。丁…

読了本ストッカー:コメントに困る!・・・『月魚』

月魚 (角川文庫)著者:三浦 しをん角川書店(2004-05)2006/4/11読了。 え~と、まぁ主人公二人の関係性についてはつっこまない&深く考えないとして・・・古本に関する話が面白かったでございますな。直木賞受賞されて、今後の活躍も期待です。三浦氏は、土屋…

読了本ストッカー『もののけづくし』

もののけづくし (ハヤカワ文庫NF) [文庫]別役 実早川書房1999-04 2006/4/6読了。 『虫づくし』は劇作家である別役氏の本領発揮の抱 腹絶倒エッセイでしたが、本書もとぼけた味わいが素敵です。 「妖怪変化の類を近代科学の光のもとに さらけだす」のではなく…

読了本ストッカー『センセイの鞄』

センセイの鞄 (文春文庫) [文庫]川上 弘美文藝春秋2004-09-03 2006/3/17読了。 記述師は『蛇を踏む』よりこちらが好きですね。梨木 香歩氏でも『裏庭』より『西の魔女が死んだ』がいいですし……やはりわかりやすいものしか読み解けない のか……。 それはさてお…

読了本ストッカー『オリガ・モリソヴナの反語法』

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫) [文庫]米原 万里集英社2005-10-20 2006/3/17読了。 これを書いているのは7月5日。著者の米原万理氏が 亡くなってしまいましたね。 ジュンク堂で追悼フェアが行 われていました。 オリガ・モリソヴナはチェコソビ エ…

読了本ストッカー『空港にて』

空港にて (文春文庫) [文庫]村上 龍文藝春秋2005-05 2006/2/23読了。 ヴィレッジヴァンガード自由が丘店にて、「著者の最高傑作」というようなポップがついていたので読んでみました。 村上氏を評するときに「現実にコミットメントし過ぎ」という意見があり…

読了本ストッカー『花を運ぶ妹』

花を運ぶ妹 (文春文庫) [文庫]池澤 夏樹文藝春秋2003-04 2006/2/20読了。 バリ島で麻薬の不法所持で捕まってしまった画家の 兄・哲郎と、兄を救おうと奮闘する妹・カヲルが交 互に語る構成の長編です。 久々に「小説」ってやつ を読んだーッという気にさせて…

読了本ストッカー『蔭桔梗』

蔭桔梗 (新潮文庫) [文庫]泡坂 妻夫新潮社1993-03 2006/2/10読了。 「増山雁金」「遺影」「絹針」「簪」「蔭桔梗」「弱竹さんの字」「十一月五日」「竜田川」「くれまどう」「色揚げ」「校舎惜別」の11篇が収録された短編集です。 ミステリの泡坂氏とはま…