読了本ストッカー:速記者・・・マニアックだ・・・『余白の愛』

余白の愛


2006/6/5読了。


本の雑誌社の『文庫王国2004年版』の小川洋子特集で次のように紹介されていたので興味を持って買ってみました(福武書店版ですけど)。


印象的なのは、突発性難聴に侵された主人公の元にスケッチブックを用意した夫が訪れる場面。丁寧にできるだけの誠実さを書き並べつつも、離婚届を置いていくその残酷さときたらもう!この出来事が物語の本質に大きく関わっていくのだけど、主人公が病んでしまうのも納得だ。むき出しの憎悪や暴力より、ある意味たちが悪い。


う~ん・・・ほんとに残酷。見事な描写でした。
寡聞にして小川氏のことは『博士の愛した数式』が話題になるまで詳しく知らず、ブックオフで見かけてもスルーしていた(反省)のですが、六本木のABCでも売れてるようですし、読んでみようかなぁと思いました。