読了本ストッカー:『忍び外伝』乾緑郎/朝日文庫



2017/7/12読了。

お、面白い!ひさびさに伝奇読んだー!って感じがしました。

伊賀の忍び、石川文吾衛門が、天正伊賀の乱に向かう時代を生き抜く伝奇活劇です。
果心居士、煙之末、非時香菓、などなど伝奇ワードが頻出!
冒頭、天正伊賀の乱の後に、文吾が果心居士に出会い、幻術にかけられるのですが、そこからの「胡蝶の夢」感はまさに『完全なる首長竜の日』の作者のもの。またそれ自体が物語の根幹に関わるもので……。

本能寺の変の折り、信長が「是非もなし」と言った理由が判明するとか、伝奇処理もあるし、とても楽しめました。
よくよく読むと、登場人物の動機がなんだかおかしい気もしますが……。