読了本ストッカー『百怪祭②闇絢爛』

闇絢爛 (光文社時代小説文庫)闇絢爛 (光文社時代小説文庫)
著者:朝松 健
光文社(2003-12-09)

 

 

2009/8/22読了。

ご存知<百怪祭>シリーズの第2弾です。

 ◆「血膏はさみ」
……北畠顕家配下の早坂正家が、高師直軍に破れ、逃げ込んだ山中で出会う恐怖を描きます。これ……こわっ(涙)!も真っ青のスプラッタ!この妖怪には会いたくない~。ひとつ腑に落ちないのは、最初になぜ猟師と子どもが一緒にいたのか?

 ◆「妖霊星」
……時は鎌倉後期。内管領長崎高資は、田舎田楽の最中に執権北条高時の暗殺を企みます。しかし「弱法師」によって召喚されてしまった(?)のは……?「弱法師よろぼし」→「妖霊星ようれぼし」?

◆「恐怖燈」
……伝奇と言えば彼、果心居士の登場です。秀吉を恐怖によって傀儡にしようと考える石田三成は、果心居士の幻術を利用しようと考えます。そこで果心居士に貸しのある、元甲州乱破大虫来馬に命令し、果心居士に渡りをつけさせます。
大虫来馬は大虫来馬で、別の野望を抱いており、果心居士を利用しようとするのですが……さすがに果心居士!一枚上手か(笑)。
ラストで良くこんなこと考えつくなあと思ったのですが、初出が<異形コレクション23>『キネマ・キネマ』であると知って大いに納得!どんなお題でも室町伝奇で書いてやる!という朝松氏の執念を感じますなあ……。凄いの一言。

◆「<夜刀浦領>異聞」
……朝松健+室町伝奇+クトゥルー神話、でこうなります。本編が収録されている創元推理文庫のアンソロジーも早く手に入れたいのですが、案外見かけないんだよなあ。魚扁の漢字が壁面にビッシリ書いてあるとか、劇的に怖いシチュエーション……嫌すぎる(涙)。

◆「夜の耳の王」
……立川流に伝わる秘宝を巡る挿話という物語は、前作『百怪祭』所収の短篇にもありましたね。本編の秘宝は後醍醐帝にまつわるもの。

 ◆「荒墟」
……