読了本ストッカー:あの『エクソシスト』を思わせる筆致……『症例A』多島斗志之/角川文庫


2015/10/16読了。

『クリスマス黙示録』に続いて、多島斗志之作品二冊目。
精神科医の榊は、新しく就職した病院で亜左美という少女を担当することになります。
彼女は神経症なのか? それとも前任の医者の診察通り分裂病統合失調症)なのか? もしくは境界例
榊はじりじりと這うようにゆっくりと診察を進めていきます。
また、上野にある首都国立博物館に勤める江馬遥子は、ある重要文化財に指定されている展示品を贋作と断定する手紙を発見し、その真贋を調べ始めます。
この別々の物語が重なっていきます。
特に、精神科に関する物語の進め方がとても慎重で好感が持てます。おそらく、この執筆時期を考えると、かなり勉強して書かれてると思われます。後半が若干(?)ジャンプしますが……。