読了本ストッカー:王道伝奇小説……『忍者からす』

忍者からす (新潮文庫)


柴田錬三郎


新潮文庫


2008/2/8読了。


 


熊野権現、牛王誓紙、鴉・・・とくれば『夜叉鴉 【コミックセット】』ですが(?)、やっぱり本場のカラス(?)は柴錬です。


司馬遼太郎が、忍者を自らの望みも知ることの出来ない<人外の化生>として描いたのに対し、柴錬の忍者は「初志貫徹」。牛王誓紙によって託された願いをなんとしても果たすべく力を注ぎます。


それにしても、からすが「日本全国にある三万六千という熊野神社末社を諜報網」としているのに対し、将軍家は「全国津々浦々の石清水八幡宮を手足としている」という設定が、伝奇マインドに火をつけますね!!


一休禅師、山中鹿之介、塚原卜伝、丸目蔵人、由比正雪、幡随院長兵衛、蜀山人国定忠治・・・これらの錚々たるメンバーがみな「からす」の関係者だったという伝奇的設定も、伝奇小説の王道の王道という感じ。


赤い影法師 (新潮文庫)』と続編『南国群狼伝―続 赤い影法師 (新潮文庫)』も読まないとね。