廣済堂文庫
2008/3/3読了。
着々と105円で集めています<山田風太郎傑作大全>シリーズ。22巻目は本書『江戸にいる私』。短篇集でした。
◆「山田真竜軒」
・・・時代小説なのに代議士とか出てきてなんじゃこれと思いましたが、さすがに山風、すぐに話に引き込まれます。鎖鎌の達人、山田真竜軒はひょんなこと(また使ってしまった)から荒木又右衛門を敵と狙う子ども達を養うはめに。達人+美(少)女+子供たちという黄金の山風図式。しかし本当の主人公は荒木又右衛門かなぁ?
◆「悲恋華陣」
・・・戦国末期、秀吉軍の猛攻の前に滅びゆく三木城。その中で、家老粕谷玄蕃の娘沙羅の美しく成りゆく様は・・・まさに<凄艶壮美>。凄まじいのひとこと。
◆「黒百合抄」
◆「明智太閤」
・・・いや、これは見事。すっかり(中略)たなぁ。てっきり(中略)かと思った。虚心に読むべし!
◆「叛心十六歳」
・・・16歳の由比民部之介は楠不伝の軍学道場へ通う少年。そこへ松平長四郎と長十郎という青年たちがやってきます。五代五兵衛と名乗る謎の人物の正体とは?あの○○○○も出てくるし!
◆「江戸にいる私」
・・・表題作。昭和から田沼時代にタイムスリップしてしまった藪井庄一氏。その原因が<チョンマゲのかつら>っていうのが・・・(苦笑)。昭和人である藪井氏の感じたことを描くことで、江戸と昭和を重ねています。
とても山風氏らしい短篇集でした。「悲恋華陣」が一番好きかな。