サミュエル・R・ディレーニイ
ハヤカワ文庫
2008/2/28読了。
『アインシュタイン交点』に続いて2冊目です。『アインシュタイン交点』はなんじゃこら~な超難解SFでしたが、本書はそれに比べればまだソフトか?
インベーダーによる破壊工作時に、いつも傍受される謎のノイズ。それがどうやら一種の言語らしいとわかります。<バベル-17>と呼ばれるようになったその言語の解読を依頼されたのは、言語のスペシャリスト、詩人のリドラ・ウォン。
言語SFとくれば・・・記述師の少ない読書経験では、テッド・チャンの『あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)』や『時の果てのフェブラリー―赤方偏移世界 (徳間デュアル文庫)』あたりを思い出します。本書はぱっとみ(カバーとか特に)スペースオペラにしか見えませんし、「霊体人(ディスコーポレイト)じゃないと宇宙船を操れない(さまざまな情報をとりこまなきゃならないので)」という設定とか、スペオペのにおいムンムンですが まごうことなき言語SF。
言語が社会体制にまで関わってくるという発想は、『侵略者の平和〈第一部〉接触 (ハルキ文庫)』みたい(こっちのほうがもちろん後ですけど)です。
でも、今度増刷するときには、カバーかけかえたほうがいいよ、きっと。