読了本ストッカー:ホラーとハードボイルドの狭間……『堕ちる天使』

堕ちる天使 (ハヤカワ文庫NV)


ウィリアム・ヒョーツバーグ


ハヤカワ文庫


2008/1/24読了。


呪いの鈴殺人事件 』に引き続き、これも『怪奇幻想ミステリ150選』で知った作品。


私立探偵のハリー・エンジェルは、ルイ・シフレという富豪(たぶん)からある人物の生死を調査するよう依頼されます。二人が出会う場面、これがなんともかっこよすぎ! これぞハードボイルド、という感じです。
読み進めると、『宇宙消失 (創元SF文庫)』のホラー版といったイメージ(まったく違うけれど)。しかしある意味似ているかも。探偵が事件を追ううちに、この世の理から離れていってしまう感じが。


その後会う人々が次々と殺され、いたるところに見え隠れする逆五芒星の印章・・・。きたきたきたーッ!


ヴードゥー教だけならまだしも(?)フリークスやコニー・アイランド、見せ物小屋、人種差別発言連発の刑事エトセトラ、エトセトラ・・・。ニューヨークをぐるんぐるん回りながら、ハリーと一緒にどんどん深みにはまっていく感じが怖いです。


ミステリの部分はちょっと弱い(というか解決されていない?)ですが、強烈な○○もあるし、『呪いの鈴殺人事件』より断然面白いです。


ちなみに本書は『エンゼル・ハート』というタイトルで映画化もされており、主人公のハリー役は、ミッキー・ローク。ぴったりだな。シフレ役はロバード・デ・ニーロ。これまたぴったりだなぁ。