読了本ストッカー:『運命交響曲殺人事件』由良三郎/文春文庫



2018/11/15読了。

1984年の第二回サントリーミステリー大賞受賞作です。
なんで読んでみようと思ったかと調べてみると(忘れてたので)本格ミステリ不遇の時代(松本清張が『点と線』『眼の壁』を雑誌に連載して注目を浴びた1957年から、新本格の発足の年である1987年までの約30年間)を特集した傑作ブックガイド『本格ミステリ・フラッシュバック』に紹介されてたからでした!



山梨県がモデルでしょうか?南見市の県警捜査第一課長・白河警視は大のクラシック好き。
南見市の福祉会館コンサートホールのこけら落としとして開催された、地元のオーケストラと世界的指揮者、の共演を見に出かけます。
演奏されるのはベートーベンの『運命』。
ダダダダーン♪ドカーン!ということで(?)突如指揮台が爆発!は爆死し、オーケストラメンバーにも多数の死傷者が。はたして犯人の目的は?

す、すげぇな。。。由良三郎氏ははじめて読みますが、とても読みやすい。
白河警視も若干亭主関白っぽいですが、当時としてはそんなもんでしょう。フランキー堺の「赤かぶ検事」みたいなイメージかと。
解決も二重底になっており、爆発のトリックも面白いし、「ミステリ不遇の時代」とは思えませんな?

内容(「BOOK」データベースより)

その高名な指揮者の右手が力強く振りおろされて、“運命”の冒頭が会場に鳴り響いた。ダ、ダ、ダ、ダン!瞬間、指揮台が爆発し、指揮者の身体がふっ飛んだ…。事件を追う白河警視と甥の鉄平の前で、謎は思わぬ展開を始める。作者が元東大教授で話題を呼んだ第2回サントリーミステリー大賞受賞の本格推理。