読了本ストッカー:『とっぴんぱらりのぷぅ』

とっぴんぱらりのぷぅとっぴんぱらりのぷぅ
著者:田中芳樹
販売元:光文社
発売日:2009-01-21


 


 


 


2009/5/20読了。


図書館で借りました。とりあえず図書館では、ハードカバーのブックガイド的なものを借りようと決心しました。


田中芳樹氏の文章を読んでいて(彼だけじゃないんですが、例えば北村薫師とか)いつも思うのは、<●●版の世界文学全集>とか、表紙が誰々の絵でとか、よく子どものころのことを覚えているな~ということ。普通子どもが版元名なんて知ってますか?それが普通の人と作家になるような人たちとの違いか……。


一番興味深かったのは、抄訳版・ダイジェスト版についての考察。黒岩涙香の翻案とか、原作より明らかに面白くなってしまっているダイジェスト版とか、そういうものを「やっぱり完訳じゃないとね」と切り捨てるのではなく、物語への入り口としての役割を持っている点を高く評価しています。
そうだよなぁ、子どもの頃ダイジェスト版よく読んでたもんなぁ。


田中氏のオススメ作品はいたるところで拝見しているので、特に新しい情報はありませんでしたが(すでにすべて探求書エクセルリストに登録済みでした)、本書は、同じタイトルでも、版元が違う商品も軒並み併記しているところが、ブックガイドとして異例で、かつ出色の出来。


とても楽しめました。