読了本ストッカー:残念ながら<幻想ミステリ>って感じではありませんでした……『呪いの鈴殺人事件』

呪いの鈴殺人事件


藤田宜永


光文社文庫


2008/1/17 読了。


怪奇幻想ミステリ150選』で知り、読んでみました。藤田宜永氏って、ハードボイルドだけじゃなく、こんなのも書いてたんですね。


記述師にとって、<幻想ミステリ>というものの定義は、「オカルト的に解決され、かつ現実でも解決される」ものなのです。例えば『霊名イザヤ』なんかがそうだった気がします(うろおぼえ)。


そいういった意味では、残念ながら本書は<幻想ミステリ>というカテゴライズは難しいかな。徹頭徹尾オカルトものでしょう。いや、医者なのに霊的なものを信じてしまう気弱な主人公とか、自称妖術師の大方総八郎(妖怪じゃないかコヤツ)とか、面白いんですけれどね。


巻末解説によると、まだ陰陽師ブームなんて陰も形もなかった時期に、陰陽師を登場させた作品として貴重なものらしいです。ほほう…。