読了本ストッカー:オニワーヴァンは衛星軌道を回りませんでした。残念!……『山田風太郎忍法帖短篇全集#11お庭番地球を廻る』




2007/5/29読了。

偶然100円で発見。全巻100円で見つかるまで(無理!)とっておこうと思っていたのですが、我慢できず・・・読んでしまいました(あぁ、もったいない)。

「お庭番地球を回る」
・・・安政6年、井伊直弼に遣米使節として派遣された新見豊前守一行。副使として随行する村垣淡路守は、果たしてニンジア・オニワーヴァン(笑)なのか? タイトルを見て、絶対に忍法で衛星軌道を回る話だと思っていたら、全然違いました。ちょっとした映画になりそうな話ですね。『おろしや国酔夢譚』みたいな?(全然違う?)

「怪談厠鬼」
・・・タイトルからも察せられるとおり、風太郎氏お得意(?)の糞尿話です。

「さまよえる忍者」
・・・滝川左近の末裔にして、公儀伊賀組の食客である滝川右近は、滝川一族に伝わる“幻眠の術”を修業中。“おのれのなす諸行をすべてかりの姿とするがごとき”“臨時作業”の人生・・・山田氏の思いでしょうか。

「読淫術」
・・・“ちゅうだこの術”“すじがねの術”“膜鳴りの術”、そして“きんたまりの術”・・・。なんか書いてるだけでアダルトブログに指定されてしまいそうです。困窮する伊賀組甲賀組を救うために、首領・服部百蔵によって上記の忍法を授けられた4人の忍者たち。仲間たちの生活を助けるため、内職を始めるのですが。将軍家世継ぎ問題も絡めた伝奇短篇小説です。

「忍法死のうは一定」
・・・出ました、“戦国のメフィストフェレス”果心居士!今回は大魔王信長に関わります。朝松健氏の「魔蟲傳」(『百怪祭』所収)に似た感じ(信長が出てくるとこだけ?)でした。

「怪異二挺根銃」
・・・ま、タイトル通り、“根”が“二挺”なわけです、ハイ。津軽藩VS南部藩の確執を中心に物語は進むのですが・・・ま、無茶苦茶な話ですわ。

「忍法金メダル作戦」
・・・これはエッセイ。

先日、<スタニスワス・レム・コレクション>と<オレンジ党>シリーズを優先的に買おうと決心したばかりなのに・・・山田風太郎のシリーズも忘れてた。<明治小説全集>も品切れ多いみたいだし、<忍法帖短篇全集>も、あと何年かしたら品切れの予感!どうすりゃえんじゃぁ!