読了本ストッカー:奇想幻想文学のブックガイド。……『幻想文学1500ブックガイド』

幻想文学1500ブックガイド


幻想文学」編集部/編  石堂藍東雅夫/著


2007/4/16読了。


4/1に図書館で借りてから、ちょこちょこと暇を見つけては読み続けてようやく読了しました。国別、テーマ別による海外幻想文学作品ガイドです。


国別ならよくありそうですが、さらにテーマ別というのが新鮮でした。
「イギリス」「アメリカ」「フランス」「ドイツ」「中国」「ロシア」「東欧」「ラテンアメリカ」「南欧」と分けられ、さらに「幽霊」「綺想」「呪術/物語の物語」などなど、様々なカテゴリとも言えないカテゴリで“恣意的”に分けられた膨大な作品群、1500編。この“恣意的”ってのがいいんですよね。編者の「ここ!ここがすごいんじゃあ!」という気持ちが伝わってきて(笑)。


読みたい作品にポストイットを貼りながら読んだので、パラパラめくると自分の趣味嗜好が歴然・・・(笑)。ポストイットが集中しているカテゴリは「異界」「魔術と呪術」「秘儀参入」「東方」「時間」「架空の歴史と伝奇」「言葉遊び」「吸血鬼」「魔法」「呪術/物語の物語」「不老不死」「幻獣・幻想の博物誌」「語り」などなど。
国別に見るとフランス、ドイツはごっそり抜けています(いえ、他意はありません。なんか趣味に合いそうな作品がなかっただけで)。
興味深く読んだのは中国、ラテンアメリカ、カナダ・オーストラリアでしょうか。ネイティヴ&アフロなど守備範囲外だったけれど面白そうな分野もたくさん知ることが出来ました。中国ものもすごく読んでみたいのですが、残念ながら文庫が少ない。これは他の国の幻想文学も同じですが・・・。とりあえず『山海経』かな?


ポストイットを貼った作品をみると、「SF」「メタノベル」と書いてあるものが多いですね。さらに“おちょくる”って言葉も頻出(笑)。「SFをおちょくった作品」「幻想文学をおちょくった作品」・・・素敵(笑)。


それにしても、奥が深い!自分が知っている本なんてものすご~く一部にすぎないってことを痛烈に知らされてしまうブックガイドでした。五つ星の衝撃です。