読了本ストッカー:筒井康隆に『邪眼鳥』を書かさしめた傑作マジックリアリズム!(らしいよ)……『二百回忌』

二百回忌


2007/3/1読了。


角田光代氏、川上弘美氏と、現代文学わからん病にかかっていた記述師。なのに何故本書を購入したかというと、巽孝之氏の解説に「スリップストリーム(伴流文学)」という文字が見えたから。
角田・川上両氏の作品が難しいのは、日常的な表現を使用して、日常的な出来事が書かれているからこそ、つまり記述師に隠喩を読み解く力が欠如していることに起因しているのではないかなあ~と想像していたのです。したがって「スリップストリーム」と言われるくらいバカバカしいことが起こる(らしい)本書ならわかるかなあと想像したのですが。


 「大地の黴」・・・てなことを書いたのに・・・恐るべし、笙野頼子。やっぱり全然わからん!巽氏によるとシュールレアリスム小説。シュールレアリスムなんて嫌いだあっ!
「二百回忌」・・・


“私の父方の家では二百回忌の時、死んだ身内もゆかりの人々も皆蘇ってきて法事に出る。”


 “無論それは二百回忌の時だけの事で、例えばいくら盛大に執り行ったところで九十回忌位ではそんなにはならない。”


これは面白い!二百回忌の知らせは“金の太陽に烏を黒く抜いた紋の入った、真っ赤な封筒”で届くし!(『夜叉鴉』かっ) なんやらわからんムチャクチャなストーリーですが、ラストがニヤリとさせられます(石原慎太郎も選評でラストを誉めてますな・・・)。
「アケボノノ帯」・・・巽氏によると“傑作スカトロジー小説”。何を隠そう、記述師もその昔う○○を漏らしたことがあったが(隠そうよ)、そうか・・・“ワールド農耕霊”として生きる道があったか・・・(笑)。
「ふるえるふるさと」・・・ああ、もうようわからん!


というわけで・・・結局ジャンル小説に逃避する記述師でした。