読了本ストッカー:歴史ミステリの珍作。……『太閤暗殺』

太閤暗殺


2007/2/6読了。


題名通り、太閤秀吉暗殺を依頼された大泥棒・石川五右衛門と、依頼主で関白秀次の重臣である木村常陸介、防ぐ側では、京都所司代前田玄以、さらに石田三成、この4名のそれぞれの視点から描かれるミステリです。
時代設定を昔にしているだけで、本質はミステリという点では『安政五年の大脱走』を思い起こします。 “出雲の阿国”や“左利きの甚五郎”が出てくるなど小ネタもありますが、基本的には現代ミステリといってもいい内容。記述師は、「歴史ミステリ」とは歴史の謎とミステリ的な謎が有機的に絡み、かつ解決されるものだと思っているので、本書は歴史ミステリとは言えないと思います。登場人物も現代的な思考をするしね・・・。 “殺生関白”豊臣秀次など伝奇小説好きにはたまらない人選なのになあ・・・あぁ、健全すぎてめまいが・・・(byシティーハンター)。
同じ五右衛門ネタ(?)の朝松健氏の『五右衛門妖戦記』に期待しよ・・・。