曾我佳城シリーズの2巻目、完結編です。
ミステリの定番中の定番、雪の上の足跡トリックを扱った「ミダス王の奇跡」、天井にトランプを張り付けるマジック(?)の謎を追う「天井のとらんぷ」、腹話術をめぐる「石になった人形」、異色のシナリオ形式で書かれた「白いハンカチーフ」、とてつもない鍵トリックが炸裂する「浮気な鍵」、太平洋岸奇術クラブ連合会に出席した佳城たちを描く、初の海外編「シンブルの味」、語呂合わせを利用したトランプ俳諧(汗)を巡る「とらんぷの歌」、奇術師・だるまさんの素性を巡る心暖まる物語「だるまさんがころした」、奇術版百物語「百魔術」、犯罪が露見する「おしゃべり鏡」、そして佳城シリーズ20年すべてを総括する「魔術城落成」。どれも捨て難い佳作揃いですが、アンチマジックともいうべきトリックが炸裂する「シンブルの味」が傑作ですかね。