読了本ストッカー:『半島を出よ㊤』村上龍/幻冬舎文庫



2018/11/30読了。

内容(「BOOK」データベースより)

二〇一一年春、九人の北朝鮮武装コマンドが、開幕ゲーム中の福岡ドームを占拠した。さらに二時間後に、約五百名の特殊部隊が来襲し、市中心部を制圧。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。慌てる日本政府を尻目に、福岡に潜伏する若者たちが動き出す。国際的孤立を深める日本に起こった奇蹟!話題をさらったベストセラー、ついに文庫化。

新聞記者の横川が思う。対立だけが確かな現実、政治はそこで必要とされる。政治というのは利害がたいりつするグループや人間に資源をどう配分するかということに尽きる。利害の対立が明らかになって初めて交渉という概念が生まれる。横川の周囲のみ政治がたちがやっていたのは正確に言えば政治などではなかった。誰も高麗遠征軍と交渉しようとしないのは、相手が武器を持っているからではなく、交渉という概念がないからではないのか。