読了本ストッカー:体罰も強制も、脱落もない……『風が強く吹いている』三浦しをん/新潮文庫

風が強く吹いている (新潮文庫)
三浦 しをん
新潮社
2009-06-27


2017/11/13読了。

こ、これは傑作……。すごいな、三浦しをん

ボロボロの下宿『竹青荘』に住んだことにより、自動的に寛政大学陸上競技部に所属していた(!)素人8人プラス2人が、箱根駅伝を目指す、そういう話です。

これは、これからスポーツをする子どもたち、そしてそれを応援する保護者たちが読むべき本かと。

スポーツ少年団で、学校の部活動で、子どもたちは競い、競わされます。
それがうまくいっているうちはいいけれど、いずれ何かしらの壁があらわれます。
子どもは自分に才能がないことに気づき、やめるのか、やめて何をするのかの選択を迫られる。
やめることもできないこともある。ただ楽しいだけではだめなのか、親も子どもも苦しむことになります。

あんなに子どもたちが動いてるだけで嬉しかったのに、入賞できない、レギュラーになれない、様々なことがおきます。
そのときに子どもを責めてみたり、もっとがんばれるんじゃないかと思ったり。

そんな保護者が読んで、自らを省みる一冊になるかと。