読了本ストッカー:意外とハードなミステリ……『七人のおば』パット・マガー/創元推理文庫


2016/3/11読了。

「七人のおばのうち、誰がなぜ殺されたのか?」を探る物語だと長く思いこんでいたのですが、「七人のおばのうち、誰が夫を殺して、さらに自殺したのか?」を探るミステリでした……真逆とは!

結婚してイギリスに住むサリーとピーターのもとに友人から手紙がきます。それはサリーのおばが、夫を毒殺して自殺したことを知らせる手紙でした!
しかし、手紙ではおばの名前が書かれていない上に、サリーには七人のおばが存在する始末……。
ふたりは翌日新聞で真実を知る前に、サリーの思い出を頼りに、犯人のおばを探りだそうとするのですが……。

しかし、読んでいてかなりへこむ……。
変人なおばたちを巡るコメディ的ミステリと思ってたもんで……。
世間体を重んずるあまり、妹たちに結婚を押し付け、世間体によって意見を変える長姉クララが凄まじい(私生児は堕胎させようとするくせに、夫婦間の子は愛情がなくとも産ませようとするなど)のですが、こう言った面は自分にもあるよなと思ったり……。
とにかく、心が弱っているときには読まないほうがいいです……(涙)。

とはいえ、ミステリとしては一級品です。