読了本ストッカー:自分が「きちんと子どもを保護できない未熟な親」になっていないか振り返る本……『絵本・子どもの本総解説 第6版』赤木かん子/自由国民社


2016/1/27読了。

赤木かん子氏の児童書ブックガイド『絵本・子どもの本総解説』は、2016年1月現在、第7版まで出版されています。
最新版だけ読めばいいかなあ、なんて思っていたのですが、姉妹書『自然とかがくの絵本総解説』の前書きを読んでいて驚きました。
曰わく、

『自然とかがくの絵本・総解説』は、『絵本子どもの本・総解説』の“別冊”です。
『絵本子どもの本・総解説』は、1995年の初版以来、ほぼ2年に一度の割合で、50冊ほど新しい本を入れて、50冊抜く……つまり100冊ほど入れ替える、というやりかたで、常に新鮮な絵本のブックリストをつくってきたのですが、1998年あたりからポツリポツリ始まっていた、アメリカとヨーロッパの絵本作家の世代交代が頂点に達したらしく、2005年から2006年は狂瀾怒涛の新刊ラッシュで、2006年のクリスマスに出版するつもりで第6版を準備しはじめたところ、なんと本のキャパシティが約400冊だというのに、新刊だけで400冊を越えてしまったんです!



……うーん、そんなにがっつり入れ替えてるなら、全部の版を読まねばなるまい!
とりあえず、近くの図書館に、第6版と第7版があったので借りてみたのでした。

自然科学絵本は、前掲の『自然とかがくの絵本・総解説』に移し、新刊満載(らしい)第6版の前書きには、こんなことが書かれています。

そういうわけで、
全部入れたら厚くなりすぎるので、五版の本はあらかたはずさざるを得ませんでしたが、内容的に古くなったわけではないので、この本と五版は両方必要――。
ということになりました。
みなさん!
絵本の世界は変わりました。
印刷技術も写真の技術も、ビジュアルの質は本当に向上しました。
今の絵本は本当に美しいし、造りも上手です。
三〇年前の服をそのままでは着られないように……もし着るのなら、なにかしら斬新な、今ふうの演出をしなければならないように、三〇年前の本をそのまま小さな人にだすのは、もう難しいのです。

なにい!やはり全版を読んだほうがいいのかー?

読んでいると、児童書をずっと追ってきた赤木氏ならではの言葉が多く、身につまされます。
自分が「きちんと子どもを保護できない未熟な親」ではないか、本当に考えてしまいます。

戦争のことを描いた本は、偽善と欺喘に満ちているものが多いです、特に日本のものは――。戦争をテーマにしているだけでは優れた本にはなりません。いや、一番偽善的な本、というのは戦争ものに多いでしょう。もし、人間の尊厳を奪っていくなにか、にたいする怒りと、自分自身がなしてきたことに関する冷静な判断が書けないならぱ、ね。



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