読了本ストッカー:それではみなさん、ごめんそうらえ……『ドミトリーともきんす』高野文子/中央公論新社


2015/11/1読了。

とも子「ユカワ君。科学が進めば、いつか、ケガや病気を恐れずにすむ日が来るでしょうか。ともきんすに住むみなんが、たくさんの計算をつめば、将来におこる物事を前もって知ることができるのではありませんか?」
(中略)ユカワ君「〈可能の世界〉には実現をまっている無数の事実があります。そのどれが選ばれるべきかを決定する〈法則〉はいまのところ、この地上では見つかっておりません。どんなにおたずねになられても、〈かもしれない〉とお返事するしかないのです」
とも子「〈確率〉ですか。そう思うと不運のあきらめもつくわ。ひるがえせば、希望があると考えても、さしつかえないわけだもの。くやむのはよして、おいしいくだものでも食べますか」
ユカワ君「そうしましょう」