読了本ストッカー:『カント・アンジェリコ』高野史緒/講談社文庫


2015/10/7読了。

音楽SFの最高峰は、山之口洋氏の『オルガニスト』と高野史緒氏の『ムジカ・マキーナ』だと思っています。
本書はSF度が低いので、それらには及ばないかな? でも面白い作品です。

時は18世紀初頭、バロック全盛期。
ヨーロッパ全土に電話回線ネットワークが張り巡らされ、オペラは超電飾化!
そんな世界で、電話回線ネットワークを支配する最高権威アカウント群をめぐって、バチカン電話聖庁のオルランドイングランド王国レスリー・ハワード卿(女王陛下から殺人許可証をもらっているとのウワサ!)らが暗躍します。

結構最初からバレバレなので書いてしまいますが、この電話世界では、ハッカーとして活躍するのは、かの「カストラート」たち!FAXでピーヒョロローって音がしますが、あれを声でやるわけです。
す、すごい奇想!
ラストに向かって謎が謎を呼び、ぐんぐんテンションが高まっていきます。す、すげぇ!

こうして書いていくと、どこが「SF度が低い」って思ったんだろうなぁ(笑)