読了本ストッカー:『〈映画の見方〉がわかる本 80年代アメリカ映画カルト・ムービー篇 ブレードランナーの未来世紀』町山智浩/洋泉社


2015/7/21読了。

どこかで聞いたような話だなあ……。
レーガンは、経済面では「レーガノミックス」と呼ばれる改革を推進した。大企業や資本家に対して大幅減税を行い、経済を活性化させるという建前だったが、財源を確保しなかったうえに軍事費を増やしたため、政府はすぐに赤字に陥った。福祉や警察の予算が削減され、健康保険や社会保障などの公共事業が分割民営化された。また、大企業は効率を上げるため、機械化や工場の閉鎖で情け容赦のないリストラを断行し、コスト削減と薄利多売による価格破壊と大規模なチェーン展開で小規模の同業者を圧倒し、それを合併吸収して、より巨大化していった。その結果、昔からの商店や飲食店が集まっていたダウンタウンはゴーストタウンになった。大企業は、ありとあらゆる業種を吸収してコングロマリットへと膨れ上がり、それが国家以上の権力となっていった。いわゆる『コーポレイト・アメリカ」だ。アメリカの産業は、生産よりも投資とM&A(合併と買収)が中心になり、プルーカラーは仕事を失い、MBAを取得したスーツ姿のエグゼクティブたちが三十歳代で億万長者になった。貧富の差は天と地ほどに広がった。失業者とホームレス、それに犯罪者が町にあふれた。
「これが自由主義社会だ。何の保障もないってことさ」