読了本ストッカー:エキサイティング!……『日本の歴史をよみなおす(全)』網野善彦/ちくま学芸文庫


2015/3/20読了。

様々な時代小説の土台となった網野善彦氏の著作のひとつです。

百姓=農民という従来のカテゴリ分けに疑義を呈し、百姓とひとくくりにされた人たちの職業は、商人や海での商取引を生業としていた人々など多岐にわたっていたということを示した本でした。

農地を国の基本とした「農本主義」的に捉えると、自分の田畑をもたない「小作人」や「水呑百姓」と言われる人たちも、よくよく史料を読み解けば、廻船の番頭など船での貿易を生業としていたりして、「耕す畑がない」のではなく、実は「田畑を耕す必要がない」意外と裕福な人々もいたというところとか、エキサイティング!

日本は海や川に隔てられて国境ができているのではなく、海や川こそ外に繋がる流通の道であるというのもまた素敵。
数々の小説家が惹かれるのもわかりますねぇ……。