読了本ストッカー『モザイク』




2005/5/18読了。

いつも思いますが、オカルト(と言いきってもいけない感じですが)分野にあっけらかんと踏み込む作風は吉本ばななに似ているのではないでしょうか?
「精神的に追い詰められている人間こそが 世界の崩壊を誰よりも現実として感じている。だか ら彼らは必死なんだ(引用曖昧)」というような文章に納得させられました。

本書では患者を病院に移 送する「移送屋」が出てきますが、田口氏の作品には葬儀屋や自殺死体処理屋などプロフェッショナル が大変冷静な人物として書かれていて、面白いですね。主人公のミミは武術を修得しており、自分の体 を把握することで精神的にも安定していますが、こ の辺りの身体論は養老孟司氏の「唯脳論」にリンク している気がします。
最近「脳男」など身体と心の 関係に迫った作品がよく見受けられますね。