読了本ストッカー『昭和ミステリ秘宝#薫大将と匂の宮』




2005/7/26読了。

好シリーズ「昭和ミステリ秘宝(扶桑社文庫)」の ひとつです。短編集です。

表題作は紫式部が筆を 折った訳の解釈など面白いけど、平安時代とはいえ あまりにも証拠が不足しているなぁと思っていましたが、最後はとてもうまく治めましたね。

「妖奇の 鯉魚」「菊花の約」「吉備津の釜」「浅芽が宿」 「青頭巾」は新釈雨月物語と題した怪談集です。

「変身術」は鼠小僧次郎吉の脱獄の謎を追う密室本格ミステリ・・・かと思ったら山田風太郎 か・・・? 面白いからいいけど。

「艶説清少納言」 「コイの味」「六条の御息所誕生」は嘘か誠か、紫 式部の内面にまで迫った好短編。
作者が登場人物と 同じ世界に登場するメタフィクションとしてはキ ム・ニューマンの『ドラキュラ紀元』シリーズや山田正紀の『エイダ』に通じる面白さです。