読了本ストッカー『蹴りたい田中』




2005/9/20読了。

なんといいますか…一部では話題騒然 の問題作。

「『蹴りたい田中』で第130回茶川賞 を受賞後行方不明になった田中啓文の作品集」です……。

まず献辞の「りさちゃんにも」がタイムリー(当時は)。
それにしても『六枚のとんかつ』 の蘇我健一氏はけちょんけちょんに言われるのに、 田中氏は認められますね。やはりセンス? ピカソのようにちゃんと作品を書いた上でのぶっとびだからでしょうか?

国民的スーパーヒーローを新解釈 (?)した『ΑΩ』に匹敵する快作「地球最大の決戦 終末怪獣エビラビラ登場」。
知性のあるキノコの 恐怖を描く「トリフィドの日」。
山田正紀の『神狩り2』をめぐる物語「やまだ道」。
蚊と人間で構成された科学特捜隊が密室殺人(及び蚊殺)を捜査する「赤い家」。
地獄を巡る水戸黄門の正体に驚愕の 「地獄八景獣人戯」。
人類圏シリーズの「怨臭の彼方に」。
大和魂で進む戦艦和紀の運命を描く「蹴りたい田中」。
森田健作に宇宙付喪神……ジャパネスクSFの「吐仏花ン惑星」。
つい全部列記してし まうほど怪作です……。