読了本ストッカー:『有栖川有栖の鉄道ミステリ・ライブラリー』


有栖川有栖の鉄道ミステリ・ライブラリー (角川文庫)有栖川有栖の鉄道ミステリ・ライブラリー (角川文庫)
販売元:角川書店
発売日:2004-10


 


 


 


 


2009/6/26読了。


有栖川有栖氏のアンソロジー前作『有栖川有栖本格ミステリ・ライブラリー』を読んだのはいつのことでしょうか?
収録作品のバラエティ加減はどうだったか……忘れてしまいましたが、つのだじろう氏の「金色犬」が印象深かった(マンガだし)のを思い出します。



◆「青いスパンコール/オースチン・フリーマン」



……ホームズのライバルとして名高い(らしい)ソーンダイク博士ものの短編です。はじめて読みました。ほんとホームズって感じですね。


◆「地図にない町/フィリップ・K・ディック



……たしか有栖川氏は<鉄道ホラー>ものを上梓されませんでしたっけ? 有栖川=ガチガチ本格というイメージでしたが、こういうのも守備範囲なんですね。メイコン・ハイツという存在しない駅行きの切符を買いに来た客にであってしまった鉄道助役の物語です。相変わらず崩壊します、アイデンティティー。


◆「メビウスという名の地下鉄/A・J・ドイッチュ」



……こういうの大好きだなあ!ラッシュアワーのボストンの地下鉄で、1両の列車が突然消失します。350人以上の乗客を乗せたまま。大混乱の鉄道会社に現れた数学者ロジャー・タペロは、ある仮説を披露するのですが……。ラストも秀逸。


◆「高架殺人/ウィリアム・アイリッシュ



……イメージとしては高架型江ノ電(笑)。住宅密集地を走り抜ける高架鉄道で、岩井俊二の『スワロウテイル』みたいに電車が走行中に外からの弾丸で撃ち殺された男の話、じゃなくてその事件を目の前で目撃して捜査を開始した刑事の話です。映画的とはいかないまでも、そこそこ映画的。高架から脇のアパートに渡る場面とか。『相棒』の一編になりそうですね(笑)。


◆「4時15分発急行列車/アメリア・B・エドワーズ」



……これは、ミステリと見せかけて。有栖川氏の印象が変わるなぁ。こういうのも守備範囲か。


 ◆「泥棒/雨宮雨彦」



……コレは雨宮氏の鉄道小説集の中に含まれていた、ミステリ臭がするもの、とのこと。有栖川氏はミステリと言わずになんというとほめています。


◆「江ノ電沿線殺人事件/西岸良平



……漫画作品。


◆「0号車/臨時列車/魔法/ 江坂遊



……ショートショート3作品です。江坂氏って初めて知ったなぁ。


◆「田園を憂鬱にした汽車の音とは何か/小池滋



……これは探そうと思っている『「坊っちゃん」はなぜ市電の技術者になったか』に収録されているようです。これは面白いなぁ。


◆「箱の中の殺意/上田信彦・有栖川有栖