百万のマルコ (創元推理文庫)
著者:柳 広司
販売元:東京創元社
発売日:2007-03
2009/4/22読了。
読み始めて気がついたのですが、柳広司氏は、あの『ジョーカー・ゲーム』の著者だったんですねぇ……。創元推理文庫でも『はじまりの島』『黄金の灰』『饗宴』の三作を本書の前に上梓されていますが、もちろん未読。本書が初体験です。
時は1298年、ピサとジェノヴァの戦いに巻き込まれ捕虜として投獄された物語作家のルスティケロは、牢内で不思議な話を聞かせてくれる<百万のマルコ>と名乗る男に出会います。各短篇は、牢内でもち上がるつまんないいざこざ(笑)をタネに、マルコ・ポーロが話をし、大事なとこをすっ飛ばして話を終えてしまうので、若者たちが「こらこら!」となって、あーでもないこーでもないと侃々諤々議論した末に、マルコが謎解きをして、最後に意味深な言葉を吐く……とまあこんな感じです。
◆「百万のマルコ」
◆「賭博に負けなし」
◆「色は匂へど」
◆「能弁な猿」
◆「山の老人」
◆「半分の半分」
◆「掟」
◆「真を告げるものは」
◆「輝く月の王女」
◆「雲の南」
◆「ナヤンの乱」
◆「一番遠くの景色」
◆「騙りは牢を破る」
短編としても短めなので、あまり語るとネタバレが。論理学的(?)アプローチが面白かったです、頭の体操的で。
「半分の半分」で出された、「ひとつのパンをふたりで絶対に文句の出ないようにわけるにはどうしたらよいか」というのが好きでした。そっか~(笑)。