読了本ストッカー:種も仕掛けもごさいません……『つむじ風食堂の夜』

つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)
著者:吉田 篤弘
販売元:筑摩書房
発売日:2005-11


 


 


2009/3/13読了。


月舟町の十字路の角にある、東西南北から風が吹きつのってつむじ風がおきるから、人呼んで<つむじ風食堂>。そこに集う人々を描いた小説集です。


クラフトエヴィング商會に先駆けて、文庫化されている吉田篤弘氏の作品。よく考えたら初めてだなぁ。特にこれといった出来事が起こるわけでもないのですが、主人公の<私>の父親、手品師の父親が起こした最後の手品がじ~ん。記述師は早くに父親を亡くしたもので、こういうのわりと弱いのです。



でも、親父、よく言ってました。もし、電車に乗り遅れて、ひとり駅に取り残されたとしても、まぁ、あわてるなと。黙って待っていれば、次の電車の一番乗りになれるからって。


かっこいい……。この言葉、娘に言います(笑)。