読了本ストッカー:思弁的SF……『継ぐのは誰か?』

継ぐのは誰か? (ハルキ文庫)
継ぐのは誰か? (ハルキ文庫)


小松左京


ハルキ文庫


2008/9/25読了。


    記述師がSFを意識して読んだのはハルキ文庫版の『果しなき流れの果に (ハルキ文庫)』でした。調べてみると1997年の発売ですから11年前。あれ?計算が合わないなあ。高校生のときに、地元の本屋で見つけて、ギャーすげ~と思いながら立ち読みしてた・・・気がするんだが。時期があわんっ!


    なにはともあれ、本書は小松氏お得意の思弁的SF。人類は地球の最後の王朝なのか、それとも人類を<継ぐもの>が現れるのか。小松氏はロジカルに(まあ、かなり答えありき、的なところはあるけれども)思考を進めます。


   国家間の戦争が収束して20年。大学で学ぶ学生たちに「チャーリーを殺す」という予告が送られます。チャーリーとは学生たちの一人。彼らはチャーリーを守る対策を講じると同時に、ICPOに連絡を取ります。


    果たして犯人の目的はなんなのか?というミステリ的な面ももちろんですが、小松氏頻出の科学と道徳のかかわりを論じる面もみられます。


    幾分後半が駆け足気味ですし、結末も今となってはインパクト薄ですが、1970年代にかかれたものとは思えないほど、現在のネット社会を予言しています。小松左京恐るべし!を確認できる一冊。