読了本ストッカー:『ダヴィンチ・コード』よりこちら!……『レックス・ムンディ』

レックス・ムンディ


2007/1/25読了。


レイラインカタリ派、シオンの使徒、イエスの血統・・・伝奇ワードがわんさか出てきます。『書店風雲録』にも、ラテンアメリカ文学が流行する以前に全ての作家の顔写真と名前とを一致させた、というエピソードで登場する、博覧強記の人・荒俣宏。解説が高橋克彦・・・神田駅前で高橋氏の『竜の棺』をプッシュしている書店さんがあって、それも読みたいのですが(伝奇つながりということで)。


恩田陸氏は豊崎由美氏のインタビューの中で、「人称と視点が別々になっている文章を書く人は苦手」という意味のことを言っていますが、荒俣氏はまさにそれ。冒頭の青山譲と宮下不二男の会話は、三人称なのに視点がふらつくので読みにくいのは確かです。その後も視点はふらつきっぱなし。そうすると2人が話している場面でも、お互いの考えていることがダダ漏れなので、人物造形が薄っぺらく感じられてしまいます。蛍光プラチナに全身が輝く女性など魅力的な設定がたくさんあるので、ちょっと残念です。