読了本ストッカー:宮部ミステリの魂に触れよ!……『夢にも思わない』


夢にも思わない
2006/7/11読了。
『今夜は眠れない』に続く緒方&島崎コンビ第2弾です。前作は緒方の家族に起きた事件でしたが、今回は緒方のあこがれの人、クドウさんの身に起こった事件。
解説が実に的確です。小説において、「犯罪」を起こした「個人(犯人)」を描写することは、ある種の免罪符を与えることになります。「こんなに切ない犯罪者はいただろうか」という類ですね。しかし解説にあるように、本作ではラストのちいさな(?)犯罪に免罪符が与えられない。これが確かに本作の「重み」なのでしょう。宮部氏の作品の原点、売れる理由にふれた気がしました。
犯人像として本書と対になる作品として『模倣犯』が挙げられています。文庫化されている宮部みゆき作品はほとんど読んでいるのですが、最近(ともいえないか)のは未入手も多いので、ぜひ手に入れたいです。