読了本ストッカー:繰り返される永遠の中で、人は作品を描けるのか?……『ターン』


ターン
2006/7/6読了。
「時と人」シリーズの第2作です。
今回は“ターン”、つまりある時間がくると前日に戻ってしまうようになった女性のお話。前作とは打って変わって、誰と話しているのかな?と思わせる二人称で話は進んでいきます。主人公は版画家なのですが、どんな素晴らしい作品ができても、すぐに前日に戻って白紙になってしまう、そんな世界でどうしたら「創作意欲」をもつことができるのか?見事な設定です。そしてとても素敵な、ストレートなラブストーリーです。恥ずかしくなります(笑)。
あとがきで北村氏は、SFの部分に重大な欠陥がひとつあると書いています。もちろん私は気付きませんでしたが(…。)言われてみると確かに。詳しいことは実際に読んでみることをオススメしますが、それを補って余りある作品です。