2006/6/22読了。
マザーグースと並んでミステリのモチーフとなることの多い『アリス』。本作でもいたるところに顔を出します。宇佐見博士が異界へと旅し、そこの法則、ルールに従いながら謎を解く連作短編集です。
「言語と密室のコンポジション」…しゃべった文章の濁点の消える“清音の間”やしゃべったとおりのことが現実に起きる“言霊実存の部屋”のある建物で起きた殺人事件を“字義原理・実存の猫”とともに解き明かします。
「ノアの隣」…ノアの箱船に乗り込んだ(むちゃくちゃ…)宇佐見博士が、パンゲアの謎、人類進化の謎に迫ります。
「探偵の匣」…言ってしまいますとメタミステリです(タイトルでバレバレですが)。
「アリア系銀河鉄道」…表題作。文字どおり“銀河鉄道”がモチーフ。