読了本ストッカー:転倒しまくり、亜愛一郎!……『亜愛一郎の転倒』

亜愛一郎の転倒


2006/11/15読了。


シリーズ2作目です。


「藁の猫」・・・偏執的な写実性を重んじた画家・粥谷東巨の回顧展で見つかった“指が六本ある少女”“針の間違っている時計”“重力を無視している水差しの水”“あべこべの鋏”“開くことが出来ないドア”“春に花を咲かせたテンニンソウ”は何を意味するのか・・・。森博嗣氏の『封印再度』の心と同じでしょうか。
「砂蛾家の消失」・・・一晩にして消えた合掌造りの家屋の謎。館消失という大トリックです。可能かどうかちょっと不安ですが・・・。
珠洲子の装い」・・・一年前に飛行機事故(DL4号機・・・。)で死んだ歌手・加茂珠洲子。その珠洲子をモデルにした映画の主演女優を選出するオーディション会場で起きた(けど愛一郎以外は誰も気がつかなかった)こととは?
「意外な遺骸」・・・タイトルがダジャレだなあと思って読んでいましたが・・・もうひとひねりありました(笑)。登場人物の一人、桜井料二の設定が笑えます。見つかった死体がなぜ“茹でられて”いたのか?さすがに茹でられた死体はミステリ史上初めてではないですかね?(未確認)
「ねじれた帽子」・・・いよいよ、作中に名前だけ登場していた、オオタケタテクサやオオタケヘゲタウオ(笑)の発見者、大竹博士の登場です。
「争う四巨頭」・・・前作『亜愛一郎の狼狽』所収の「黒い霧」に出てきた鈴木刑事が退職して、料理好きとなって再登場です。
「三郎町路上」・・・タクシーの後部座席に急に出現した死体の謎とは?
「病人に刃物」・・・手になにも持っていない人が、手になにも持っていない人にぶつかられて、なにも落ちていない地面に倒れ込んだのに、ナイフに刺されて死んでしまった怪事件。前作『亜愛一郎の狼狽』所収の「掘出された童話」に出てきた自費出版系出版社・青蘭社の磯明編集長が再登場です(容疑者で)。