読了本ストッカー:古川日出男の語りに酔う一冊……『アラビアの夜の種族#01』


2012/10/2読了。

時は聖遷暦1213年。ナポレオンの侵攻に揺れるエジプト・カイロ。
エジプトの実質的な支配者、23人の知事(ベイ)たちは、自分たちの騎馬部隊を最強と信じ、悠々と待ち構えています。

しかし知事のひとりイスマーイール・ベイは不安を覚え、側近中の側近アイユーブに相談します。
アイユーブは奇想天外な対抗策、イスラム世界に語り継がれているという、読む者を破滅させる『災厄の書』をナポレオンに献上すること、を提案します。しかもすでに手に入っていると。
しかし、アイユーブは稀代の語り手「夜のズームルッド」に物語を語らせ、今から『災厄の書』を造ろうとするのでした。

ズームルッドが語るのは、最兇の魔術師アーダムの作りし都「ゾハル」の物語。
アーダムや邪神「蛇のジンニーア」が無茶苦茶人間臭くて笑えます。