2012/5/30読了。
◆「なにもかもが究極的」……原著の表題『Everything's Eventual』を冠する表題作。
これおもろい!奇妙な図形を書いた手紙を送りつけることで、対象者を殺害する力をもつディンキー・アーンショー。世界中の能力者を集める「トランス・コーポレーション」が接触してきて、生活の安定と引き換えに組織のために「正義の殺人」をすることを約束させられますが……どうやら<暗黒の塔>シリーズに繋がるお話のようです。
◆「L・Tのペットに関する御高説」……妻からプレゼントされた犬と馴染めないL・Tと、L・Tからプレゼントされた猫を嫌う妻のやりとりに終始すると思いきや……こわっ!
◆「道路ウイルスは北にむかう」……きたきた、記述師のイメージするスティーヴン・キングとは、こんな感じですよ。
あるガレージセールで、一幅の絵を手に入れた作家。しかしその絵に描かれた男が動き、絵の背景が自分を追いかけてきて……こわっ!
しかしなんかデジャブがあるぞ?と思って調べたら、どうやら昔読んだサラ・アントニオのホラーアンソロジー『妖女たち999』に掲載されてました。そっちで読んだみたいですね。
◆「ゴーサム・カフェで昼食を」……ゲロゲロスプラッタ(笑)。どうしたら離婚の話がこうなるのか……?
◆「例のあの感覚、フランス語でしか言えないあの感覚」……それはデジャブ。
◆「一四〇八号室」……これが一番好きだなあ。幽霊ホテルもの。
今回スティーヴン・キングの短篇を読んでみて一番感じたのは、本当にストレートなプロットを書く作家だなということ。
そんな大きなどんでん返しは起きないし、突然イヤな終わり方をしたりしない。けれども、登場人物の心理なんかを綿密に書き込むことで、スティーヴン・キングにしか書けない物語にしてしまう。本当にすごいと思います。
◆「幸運の25セント硬貨」……ラッキー!(笑)
『旅の終わりの音楽㊤㊦』 E・F・ハンセン 新潮社 新潮文庫
『深夜勤務』 スティーヴン・キング
『トウモロコシ畑の子供たち』 スティーヴン・キング
『骸骨乗組員』 スティーヴン・キング
『神々のワード・プロセッサ』 スティーヴン・キング
『ミルクマン』 スティーヴン・キング
『いかしたバンドのいる街で』 スティーヴン・キング
『ヘッド・ダウン』 スティーヴン・キング