読了本ストッカー『フィーヴァードリーム㊦』


2011/11/14読了。

フィーヴァードリーム号に懸ける想いを媒介にして、アブナー・マーシュとジョシュア・ヨークの間には、種族を超えた友情(のようなもの)が育ちはじめます。しかし、ついにジョシュアとダモン、<血の支配者>同士があいまみえるときが!

ジョシュアは意外と若いのに対して、ダモンは……それはもうお年寄り。若いジョシュアがなぜ<血の支配者>と言われるような強力な力を持つのか……不明ですが。

上巻のエントリでは、本書の吸血鬼は怖くないと書きましたが、ダモンの底知れない感じは怖いかも。
永劫の年を経て、もはや何も感じなくなっている。生きることにうんでいる、というよりも既に死んでいる、というイメージか。
これ以上生きるつもりもなく、人間たち(家畜と呼んでいます)に正体がバレても構わないような杜撰な行動をとり、しかし襲われれば、反射的に生き延びる。野獣です。

また、本書の舞台は奴隷制度真っ只中の南部アメリカ。吸血鬼>人間(白人)>人間(黒人)というヒエラルキーがまた複雑。