読了本ストッカー:異常変態する広告生物群!……『アド・バード』

アド・バード


椎名誠  集英社文庫


2007/8/24読了。


1990年<日本SF大賞>受賞作品です。
椎名誠氏の作品はあまり読んだことがありません。昔「中国の鳥人」が映画化されたときに同名短編集を確か読んだはず。なんとなく記述師の中では筒井康隆氏とイコールというか、同系統というか、不条理ファンタジーの書き手という印象でしたが、『現代SF1500冊』で大森望氏が激賞していたので買ってみました。


行き過ぎた広告商戦(?)によって変態した広告生物がコントロール不能になり、変貌してしまった世界・・・。行方不明になった父親を探して、マサルと菊丸の兄弟が<マザーK市>を目指し旅をします。環状都市を総括する<マザーK市>のビジュアルがすごい。空を覆う広告群ってな~。なんとなく映画『イノセンス』の宣伝(でかい人形とかが行進するやつ)を思い出しました。映画化できそう。


あまり科学的考証を重視しない感じが、日本SFにありがちかなぁとも思いますが・・・SFというよりファンタジー的な印象でした。目黒孝二氏の解説によると、本書と『水域』『武装島田倉庫』が椎名誠氏のSF三部作だそう。探してみるかな。