読了本ストッカー:魔の書『N.P』の謎とは?……『N.P』

N・P
2006/12/6読了。


以前に読んだのですが、引っ越しのとき見あたらなかったので買い直しました。記述師の好きな「魔の書」タイプの作品。
高瀬皿男という男が残したカルト作『N・P』。それは日本語に訳されることによって「黒い息吹が立ちのぼってくる」魔の書。高瀬の遺児・乙彦と咲、自殺した編集者・庄司の元恋人風美、高瀬のもう一人の遺児・箕輪萃(みのわすい)の4人が織りなす物語です。


よしもと氏の物語は、いつも最低限の言葉しか使われていないのに、それが言葉遊びという感じがしません。例えば・・・


「でも、何かのおりに、「自殺者の霊は天国へ行けない。ずっと苦しいときのまま時間が止まっている」というよくある話を聞くと、発狂しそうになる。」


という文章を読むと、ああそうなんだろうな、本当に発狂しそうなんだろうなと過不足なくそう思わせるシンプルな強い文章。怖いくらいです。