読了本ストッカー:三國氏に幸あらんことを!……『蓮丈那智フィールドファイルシリーズ#02触身仏』

触身仏―蓮丈那智フィールドファイル〈2〉


12/5読了。


「秘供養」・・・山人による人さらい伝説の残る山村に存在する、“供養の五百羅漢”と呼ばれる石仏群を調査に出かけた那智と三國。“五百羅漢”に関する卓越したレポートを提出した女子学生が殺されたことで、過去の謎と現在の事件が照応します。最もミステリっぽい出来です。
「大黒闇」・・・大黒天や素戔嗚尊に代表される“神々の(性格の)変貌”。前作でも触れられた“覇権の移動”ネタかとみせて、もっとデカいネタでした。現代の事件の部分はもっとデカくなりそうだったのに、え?そんなミス?的解決でちょっと残念。
「死満たま」・・・三種の神器のひとつ“八坂たま曲玉”を巡る物語。伝奇ミステリの王道です。
「触身仏」・・・謎の祭神・菊理媛神即身仏を巡る表題作です。歴史の謎解きが一番しっくり来ました。
「御蔭講」・・・歴史部分は一番面白いです。三國が講師昇進を賭けて(笑)、御蔭講、そしてわらしべ長者伝説の謎に挑みます。次回作を期待させる終わりかたです。三國に幸あれ(祈)。