読了本ストッカー:時代小説&伝奇小説の見事な融合……『かくれさと苦界行』

かくれさと苦界行
2006/10/5読了。


『吉原御免状』の続編となります。
宮本武蔵の弟子にして、吉原惣名主・西田屋三代目庄司又左衛門となった松永誠一郎。その正体(?)は後水尾院の御子・・・典型的な貴種離流譚ですね。
しょっぱなから詳しい説明もなく物語に突入するので、前作を読んでからのほうが無難でしょう。記述師は前作を読んでから随分たつので、細かいエピソードを忘れていて困りました(汗)。
誠一郎の人生の師である幻斎の次の言葉が印象的です。


「世の中の柵(しがらみ)を背負って、七転八倒の思いの中で、剣を抜く。それが本物の剣だというんだ。剣理を極めるためだけの剣なんて、金輪際、本物じゃねぇ」