読了本ストッカー:「レプリカ」が「オリジナル」を超えたとき・・・それは「フェイク」になる。……『狐罠』

狐罠

2006/9/4読了。

「旗師(店舗を持たない骨董商)」である「冬狐堂」宇佐見陶子を描く「冬狐堂」シリーズの第1作目です。
同業者に仕掛けられた贋作に、不覚にも引っかかってしまった陶子は、自らのプライドをかけて、骨董商最大のタブー、贋作製作に手を染めます。贋作製作の過程が凄まじすぎ!科学検査に対抗するため、その時代の古木を取り寄せたり・・・とにかく凄いのです。
頭の痛くなるようなコンゲームの末、30年前の贋作事件が浮上してきます。贋作製作を手がける陶子の視点から語られるのでミステリー色が弱いと思ったら大間違い、さすが北森氏と思わせてくれます。もちろん三軒茶屋のあのビアバーも出てきます。先日仕事で三軒茶屋駅て降りて、ちょっと感動しました(笑)。