今後も、これを上回る本棚作成法の本は出現しないと思われるほどの出来。
なんといっても、「二重置きしない」「歯を食いしばってでも背表紙を見せて差す」という心意気やよし!
余談ですが、本書を書店でみるとDIYのコーナーにしか置いてないんですよね。建築雑誌のコーナーにも置いたらいいと思いますし、文芸書や文庫、コミックの棚でも大々的に展開するべきだと思うんだけどなあ……。
というわけで、蔵書を全部収納できる本棚がほしくなりまして、自宅新築に併せて、壁面本棚を考えました。
つーか、今をおいて他に可能か? ローン地獄へ突入だが、どうせ地獄なら本棚作って地獄へ突入してやる!
まずは『清く正しい本棚の作り方』を買って熟読しました。
む、無理だな……全然できる気がしねぇぜ!
ということで、結局工務店に造作をお願いすることにしたのでした(あっさり!)
本棚はリビングにないと意味がありません!
よく「旦那さんは書斎をがまんしたんですね」とかおっしゃる方、いらっしゃるんですが、記述師には書斎なんて不必要!
家にいるのに自室に籠って楽しいか?
家族みんなでゴロゴロしながら(別にゴロゴロしてなくても良いのですが)、本棚から何気に本を手にとって読む、それが記述師の理想とする本棚ライフなのです。
というわけでリビングに本棚を作ることにしました。
リビング(和室)から土間を挟んで壁面に本棚を造作。
和室の(土間からの)高さを、和室に座って本が読める400ミリに設定。
この段階では手元にある図面は平面図。細かいところは不明なまま、着工しました。
『清く正しい本棚の作り方』には次のように記されております。
蔵書とは、歯を喰いしばってでも「背表紙を見せて」収納すべきモノなのだ。
実際に、これから作る本棚の「奥行き」をいくらにするのか?
これはアナタが所有している蔵書の種類に依存する。基本的な考え方としては、(ほとんど)すべての蔵書が収まるのに「必要」な長さをもって「十分」とすればよろしい。(中略)一般的な文芸書や新書本、またはコミックなどでは「15センチ」あれば十分だと言える。
なるほど。
蔵書の大半は文庫。
あとは新書サイズの児童文庫系とA5判のブックガイド系。
この辺なら15センチで大丈夫。
自宅の所有本棚が文庫用の奥行15センチだったので、入れてみてチェックしました。
問題は絵本。基本的に子どもの蔵書も収納したいのですが……。一応前述の15センチ本棚にいれてみたところ、当然はみ出しますが、意外と安定することを確認。ま、なんとかなるでしょう。子どもの本棚(IKEAのベリー)もありますし。
ということで、本棚の奥行は15センチに決定。注意するべきは、この15センチは「内寸」であること。これ伝えそこねるとエライことになるので。
本棚の高さは壁面吹き抜け一杯まで。現場監督さんに、何度も「ほんとに全部本棚にしちゃっていいんですか?」と聞かれまくりました(笑)。
もちろん、予算の余裕はまったく!!!! ありません!!!!
記述師的アコガレの本棚は、図書館のように横に移動できる梯子のついた本棚だったんですが、これはなしになりました(涙)。
また「棚も作り付け(ガッチリ固定されていてはしごのように登れる)」も理想だったのですが、これも
監:「予算的に棚板はつけれませんねぇ」
ガーン( ̄□ ̄;)!!
棚板のない本棚なんて……既に本棚じゃナイダロ。
側板にタボレールを設置し、棚板は自分で購入することになりました。
しかし、これは結果的には正解でした。普通本棚だとどこかに固定棚板があって、それが何かと邪魔だったのです。
これはリビング側から見た様子。ガラス格子戸はリビングとの間の扉です。
幅は四間分(約3.6メートル)。
足元は明かり取りの窓が空いています。
材質はゴムの集成材。階段が同じ材質なので、同じものを大量発注してコストダウンを図ったものと思われます。
背面はシナコアランバー材。『清く正しい本棚の作り方』でも推奨されていたもの。これも綺麗、かつ安価なものというチョイスです。
構造上壁が張り出しているので、厳密には四間とも上まで、というわけにはいかないのですが、高さは約6メートル。……ま、届きませんな(泣笑)。はしご、そのうち必要になるな……。
今度は、棚板を購入しなければなりません。
棚板は『清く正しい本棚の作り方』の助言に従い、シナコアランバーを使うことに決めました。
『清く正しい本棚の作り方』では、「清く正しい建具屋」にて材木を裁断してもらわなければならない、となっていますが、近くのスーパービバホーム(結構プロ向けなんです)を訪れてみると、シナコアランバーのサブロク合板の山を発見!厚さは21ミリ。
1枚約4000円……あれ?高い……よな?
しかし他に選択肢もないので、2枚購入しました。
これまた『清く正しい本棚の作り方』に従って、木取り図を持参。エクセルで作ってみました。
四本の棚のうち、内側の二本は890ミリ、外側の二本は815ミリ。
現場監督さんから、マイナス5ミリで板を裁断しないと、棚に入りにくくなるとアドバイスを受け、図面のように885ミリ×12枚、810ミリ×12枚(サブロク2枚で)とれるようにしました。
しかし、棚板の奥行を15センチにしたため、150×6=900ミリ。10ミリしか余裕がありません……ノコシロあるか……?
ビバホームの裁断コーナーにもっていくと、「普通ノコシロ3ミリで考えてもらってるんですよねぇ。結構ギリギリだねぇ」とのこと。ギリギリつーかノコシロ3ミリならトータル915ミリで、5ミリオーバーだけどね!
6枚目は最悪余った部分だけでよいことを伝え裁断に。待つこと15分くらい(はやっ)。
「ピッタリでした」
おぉ、物理的に不可能な裁断を成し遂げたな、あなた!
16カットで800円(@50円)。
いよいよ設置です。
『清く正しい本棚の作り方』では、紙ヤスリによる面取り、塗装などあるんですが……さすがにシナコアランバー。意外と触り心地もいいので、このままいくことにしました。本当はめんどくさいだけですが……。ま、裏板が同じ無塗装シナコアランバーだし、違和感ありません。
タボレール設置には、もちろんタボが必要。
これです。
こういうふうにカチャッとつけます。ただの引っかけタイプと違って、黒いプラスチック部分を押し込むので、外れることはありません。下から押しても外れません。
このタボは監督さんがサービスしてくれました。他にも同じタボレールを使用している箇所があるので。
基本的に全ての棚とも新書が入る高さに設定しました。新書は新書でまとめようかとも思ったのですが、著者名順にしたいので、文庫と混在させることに。
そんな感じで棚板入れてみました。
ついでに本も仮入れ。
お、棚板足りない……。さらに何枚か追加の棚板が必要です。きちんと計算しておけばよかったんですけどね。
というわけで、サブロク合板2枚追加……う、痛い出費。
さらに、タボ金具が足りなくなったため、追加購入することに。
スーパービバホームに……ありました! なんでもあるなあ。
10個で……約1000円? 高っ!
しかし涙を飲んで4袋(40個)購入。
これ、棚受けですから基本的に4個セットで使うわけです。4の倍数個セットで売ってくれていないと困るんだがなぁ。例えば棚板3枚使いたくても、必要なタボは12個ですから、2袋買わないといけないわけです。そこまで考えてセット作ってたとしたら……すごいな(笑)。
まだまだ余裕があるのがうれしい!!